今回の投稿はちょっと仕事とはかけ離れたものになります。私自身の日記のような記録としての投稿になりますがもしよかったら読んでみてください。
ここ最近私自身、ちょっとした節目とも思われる時期を迎えていると思います。そういったこともあって、今このタイミングしかない!と思い立ち、先々週に息子の暮らす北海道の網走へ行ってきました。
目的は息子の暮らしを見に行くということでしたが、こういった状況下ということもあってここ数年は旅行らしい旅行は出来なかったので、今回ほんの数日間でしたが生まれて初めて訪れる北海道はちょっとした旅行気分を味わうことができました。そういった意味でも北海道に行くことができて心身共に元気になって帰ってこれました。
ちょうど網走は紅葉の真っ盛りで、空港から街へと続くひたすらまっすぐな道沿いには赤や黄色に紅葉した白樺やポプラの並木、そしてその所々からのぞく湖面はキラキラと光が差していてとても綺麗でした。
まっすぐな道を走っていると湖なのか海なのかわからないほど広大な水面が至る所から覗くことができ、これまで目にしたことのない風景に感動しました。
網走での息子の生活ぶりは大学に入学したころは誰ひとり頼る人は居ないのはもちろんのこと親族も含め北海道に知人すら居なかったとは思えないくらい、この3年間の間にしっかり自分の環境を確立して、生活を自分のものにして暮らしている姿がありました。
とにかく「頼もしくなったね。」のひと言に尽きます。あらためてこの広い北海道の大地が息子を育ててくれたんだと思いました。
今、彼がバイトとして勤しんでいる網走ならでの「ホタテの水揚げ」のバイト先にも連れて行ってくれました。そのバイト先である佐呂間(サロマ)湖は北見市の常呂(トコロ)町と紋別(モンベツ)町と湧別(ユウベツ)町にまたがる大きな湖で、一体どこからどこまでが湖でどこが海なんだろうと素直に不思議な感じがしました。
バイトの話に戻りますが、以前より話には聞いていましたが「あの(私の)息子がまさかこんなに過酷なバイトをやっているんだ」と正直驚きでした。バイトは寒い夜中の作業で命がけのバイトです。
「これは過酷すぎでしょ…」とも思いましたが、それは息子が本当に海が好きだからこそ、またそうでないと務まらない仕事だということを今回あらためて感じました。正直、今ではあの景色を知ってしまったので、息子の無事を祈らない訳にはいかなくなりました。
でも、しっかり責任をもって務めている姿を目の当たりにしたので、本当にたくましくなったなぁと頼もしくも感じます。
高校までの長い寮生活から一変、憧れていた独り暮らしをはじめた息子の部屋はあまりのすごさに驚愕のひと言でしたが、自分の部屋なのでこれはこれで、「まっ、ありなのかな。」っと苦笑いです。
網走に行っている間に半日ほど息子の車を借りてひとりで近場をドライブしてみました。
日の出は早く日没は早い。当然のことですが朝、「今日はお天気だな。」と思ってもお昼あたりに差し掛かるとたちまち空がどんよりと陰り始めたように感じられたりします。
あらためてドライブで真っすぐな道を走っていると、道路沿いから白樺や椎木や柏やポプラの木々が綺麗に色付いているのが見えます。
また、車を走らせていてもとにかくどこへ行っても地名がすんなりとは読めなくて、そのほとんどはアイヌ語に由来し漢字を当て込んだものなので慣れるのにもひと苦労しました。
網走といえばなんといっても「網走刑務所」が有名です。
かつては日本で一番脱獄が困難な刑務所といわれ有名で、その様子を再現した網走監獄を見学する観光客が多いのだそうですが、以前から趣味で明治建築を観るのが好きな私は建造物としての網走監獄を見てみたい…と前々から思っていました。
愛知県犬山市にある「明治村」でこの網走監獄の一部を見たときに建物に魅了されたのを覚えています。だからこそ実際に見てみたかったのですが、本当にこういった建築物は歴史的遺産なんだと感じました。
でも今回足を運んでみて初めて知れたことは、網走監獄の受刑者のおかげで北海道の近代の開拓があったのだと知りました。この開発には受刑者の多く命が注がれてこそ今の北海道につながるものがあると知り、なにか感慨深いものがありました。
そういったことを知る意味でも今回行って見ることができて良かったなと思います。
網走の街を注意して見ると「ニポポ」というなんとも特徴的な木彫りの人形がいたるところに立っています。顔の表情などは私の暮らす九州ではあまり見掛けない表情をしています。このニポポもアイヌの文化に由来していて、「ニポポ」とはアイヌの言葉で「小さな木の子供」という意味だそうです。その昔、アイヌの人々は望みを叶えてくれるお守りとして山や海に狩や漁に出かける時、ニポポに祈願したら必ず成就すると信じられていたそうです。
そんなニポポは今では網走の民芸品となり、刑務作業所の製品としてひとつひとつ丁寧に手作業で作られていました。このニポポ、確かにひとつひとつ眺めていると表情が違っているんです。
お土産屋さんで店員さんに聞いたのですが、ニポポの底の部分には「網走刑務所」と刻印が入っています。仮釈放になった方がお土産さんに立ち寄った際に自分たちで作ったニポポをみては「これは俺が作ったニポポだ!」などと呟きながら見ていたりするんだそうです。ちょっと苦笑いしてしまいました…。
最近では網走のお土産ものとして人気で生産が追いつかないほどだそうで、このお土産屋さんでも次の入荷まで品切れ状態でした。
またオホーツクの海岸沿いにはいくつもの湖があり、その壮大な景色はなんと表現したらいいのかわかりませんが、そこにはちょっと怖くなるくらい大きく広い広い湖面が広がっていました。
網走から一番近い能取 (ノトリ)岬からは知床半島も見えました。そして内緒で息子の通う大学にも足を運んで少しだけのぞいてみました。コンパクトに整備されたキャンパスと広大な敷地は勉強をするにはとってもいい環境だと思いました。
ところが、お昼の午後2時半頃を過ぎると辺りは薄っすらと暗くなってくるのです。北の大地は、秋になると朝も早く夜はさらに早いということなんだと実感することができました。
そして私は宿泊先にペンション「ファームイン・アニマの里」を選びました。
その理由は網走で暮らされているオーナーに網走の生活というものをお聞きしたかった…というのがその理由です。本当に色々なお話をお聞きすることができて良かったと思います。
このペンションには東農大生の保護者や卒業生がよく利用するペンションのようで、これから東農大に行かれる方がいらっしゃればぜひ利用されてみてください、私のお薦めのペンションです。そしてオーナーご夫妻には大変お世話になりました。本当にありがとうございました。
ところで…。
帰ってきて網走で撮ってきた写真を整理していると、息子の写真が一枚も無いことに気が付きました・・・(涙)
息子曰く「そういうこともあるでしょう。」ですって…。
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杜鵑草 ~器と、そのまわり~ 於保亜希子