【品番#U097】染付 鶴文様 なます皿 ( 17㎝ plate Crane pattern)
今週は「ところてん」に挑戦です。これまではところてんをゼロから自分で作ってみようなどという発想は全く思っても見たこともなかったのですが、最近ではひょっとして作れるかもしれない、作ってみようという発想になっています!
私はところてんは子供の頃、それほど好きではありませんでしたが、年齢を重ねるにつれ、好きになってきたお料理のひとつです。
今回、ところてんを作ろうと思ったきっかけは、いつものお料理人さんから以前聞いたお話で、四国のどこか香川県あたりでところてんを葛切りのように食べさせてくれるところがあってその料理に感激したという話を思い出したからです。
それで色々と調べたところ、なるほど香川にところてんを葛切りのように黒蜜ときな粉で食べさせてくれるというお店があるのです。とても興味が湧いたので今回のお料理として挑戦してみることに決めました。
ところてんは海で取れる天草(てんぐさ)を天日に干してから煮出して作ります。福岡には同じような海藻系の食べ物で「おきうと」があります。海藻の「えごのり」を干して煮溶かし、小判型に固めたもので博多の郷土料理のひとつです。
ところで、ところてんは漢字で書くと「心太」となりますが、お恥ずかしいことに今回初めて知ったので最初はなんと読んでよいのかわかりませんでした。心に太いと書くところてんは、むかしは「ところてん」ではなく、漢字のまま「こころふと」と呼ばれていたそうですが、「ところてん」となったのかは、「こころたい」「こころてい」「こころてん」と変わりながら「ところてん」と呼ばれ方の変化で今のようになったそうです(諸説あるようです)。
天草から作ると決めてもこの天草がスーパーマーケットには普通に売られているものではないので、専門店やお料理人さんの調達するお店などに電話で問い合わせをしてみたのですが、どこも取り扱っていませんでした。なかなか取寄せるのにも労をとる作業でした。
半ば諦めそうになったときに、近くの乾物屋さんに問い合わせたところ、「ありますよ〜五島の天草が。」とそのときに思いました、「私はついてる!」と。こんなに近くにまさか取り扱っているお店があるなんてとても嬉しかったです。
そうやって取寄せたものの、正直なところ天草をみたのは人生初めてでした。感想としては、ヘチマの乾燥したものをバラバラにしたようなもので、もっと黒い海藻のようなものをイメージしていたのでちょっと意外でした。これは海で取れた天草を洗って天日に干す作業を何度か繰り返すことで白くなっていくのだそうです。
この天草を水に浸して大きなお鍋でグツグツと煮ていきます。沸騰すると鍋の中で天草がグルグルと回転するようになり、さらに強火で煮詰めていきます。ポイントは火加減なんだそうです。あまり弱すぎてもだめみたいです。そうして煮詰めた煮汁がところてんの素になります。
ちゃんと固まってくれるか、何度も冷蔵庫をのぞいてみたりしながら、数時間経ったのちにのぞいてみたらなんとも言えない綺麗な透明に固まっていました。その様子を見たときは感激しました。それはツヤツヤとして鼈甲の白にちょっと似てる感じです。そうして冷えたところてんは天突きと呼ばれる箱筒に入れて麺状に突きだします。
今回面白いと思ったのは、ところてんは全国的には酢醤油で食べるのがほとんどですが、京都や大阪周辺では「黒蜜」で食べるのだそうです。これにも諸説あるらしいのですが、関西ではところてんより先に「葛きり」を食べていたので食感の似ているところてんも同じような味付けで食べるようになった説もありますが、茶の湯とともに発達したお菓子の影響を受けたという説は私が一番気に入った話です。
自分で作ったところてんは、味はもちろん風味がよく、ほんの少し磯の香りが漂い、とにかく澄み切った色が綺麗なことと、実際に食すると食感は歯切が良く、その食感がなんともいえず良いものでした。
今回は滝川豆腐のように盛り付けることでところてんの透明感から漂う清涼感を感じていただけたらいいなと思いました。
清涼感からかもしれませんが「ところてん」という言葉は夏の季語です。言われてみれば、ところてんと聞くだけでも確かに清涼感を感じられますよね。絵からも音からも清涼感を感じられるところてんは暑い夏に食べたくなりますね。
今回使った器は少しだけ大ぶりのなます皿になります。
図柄は鶴になりますが、染付けの藍色からは川のほとりで冷たいところてんを食べるイメージが感じて頂けたらいいなと思いこの器を選んでみました。
ちょっと大きく感じる器からは盛り付けの余白を設けることで涼しさを感じられるのではないかと思いました。ちょっと大きく感じられるかもしれませんが、私はこの器は他にも色んなお料理にお使いいただけると思っています。
この季節ですと果物などにも使っていただけそうな気がしますね。残り2客となってしまいましたがご興味を持たれましたらどうぞご連絡ください。
品名:【品番#U097】染付 鶴文様 なます皿
サイズ:(口径): 約17.0㎝ (高さ) 約5.0㎝ (底) 約10.0㎝
状態:良好
価格:8,800円/枚(税込み)
備考:2枚あり
[Product #U097]
(17㎝ plate Crane pattern)
size: (caliber): approx 17.0㎝ (height) approx 5.0㎝ (bottom) approx 10.0㎝
condition: favourable condition
price: ¥8,800 / plate (Tax included)
stock: 2 plates
note:
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杜鵑草 ~器と、そのまわり~ 於保亜希子