【品番#U188】sold out-楕円ガラス小鉢 (Oval glass small bowl)
先週からたった1週間しかたっていないのに朝晩はすっかり過ごしやすくなってきました。
そうそうこの感じです、この感じが季節の移り変わりを感じられる瞬間であり、日本の四季のいいところなんだと思います。
こうして投稿を続けていることで自分では気がつかないところで楽しんで読んでくださるお客様がいらっしゃることに気付く出来事がありました。
本当にありがたいことで、こういった励ましは私にとってどれほど励みになっているかわかりません。それと同時にネットの世界の素晴らしさを感じる瞬間でもあります。不思議と初対面だとは感じられないほど親近感を感じられるのが不思議です。
結果、いつでも私の方が元気をいただいていると思います。皆様本当にどうもありがとうございます。また頑張って投稿していこうという気持ちにさせてもらえました。
今週はどうしても菊を使ったお料理を作ってみたかったので「春菊と菊花の酢立ち浸し」と決めていました。そして今週は「重陽(ちょうよう)の節句」にちなんだ投稿をしようと考えていたので、ぜひその話に触れてみたいと思います。
9月9日の重陽の節句をご存知ですか?またの名を「菊の節句」とも言われています。
私の周りの方は暦(旧暦)に沿った古くからの習わしを大切にしていらっしゃる方が多くて、この話がそれほど珍しいことでもないのでしょうが、実は私自身、盛り付けの世界に興味を持つまではこの重陽の節句、そしてそれが日本の五節句のひとつであることを詳しく知りませんでした。
そしてとても身近な話でいうと、学生時代に過ごした長崎や近くの佐賀県の唐津では例年旧暦の9月(今年は10月上旬)に「長崎くんち」、「唐津くんち」と呼ばれる「重陽の節句」に由来されるお祭りが開かれます(あいにくながら今年は中止の発表がされています)。
このお祭りはみんな「おくんち」と呼んでいますが、「くんち」は9月9日の「くにち」からきているもので、それが「おくんち」と呼ばれる由来だそうです、なるほど。
何よりこの重陽の節句で興味を惹かれたのは「菊」というこの花の持つ意味ですが、私にとって菊はとても身近なところにあります。
骨董の器の世界では菊を用いた絵柄がとても多いのです。それは器に限らず日本の美術文化全般的に通じることではないかと思っています。
どうしてこのように菊を使ったものが溢れているのか、、そんなことにふつふつと興味が湧いてきます。
まだまだ調べ方は足りていませんが、一説によると第82代の後鳥羽上皇は大の菊好きで衣服や刀、あらゆる身の回りの品に菊の紋章をつけたと言われています。それ以来第89代、第90代、第91代天皇と菊の紋章が引き継がれ、やがて菊花紋(十六八重表菊)が皇室の紋章として使われるようになった…という話にもロマンを感じます。
この重陽の節句については古代中国の習わしで「重陽節」といわれた行事が奈良時代に日本に伝わってきたそうですが、平安時代になると宮廷では盃に菊の花を浮かべた菊酒を飲み、詩を詠んだりする「観菊の宴」が盛んにおこなわれていたそうです。
貴族によって日本の文化として取り込んだ「重陽節」が、庶民によって日本独自の文化に育まれ江戸時代の文化繫栄期に五節句として庶民に広がっていったということのようです。菊祭りや菊の花の品評会などはこのころから根付いてきた行事なのですね~、なんて素敵なんでしょう。
当時は重陽の節句も休日のひとつとして、そんな休日になるようなお祝い事だった…なんていうのは全く驚きでした。
振り返ると、小さな頃は菊の華やかさを感じることができずにいたと思います。今こうしてこの年齢になったからこそ、あらためて分かる菊の花の本来持つ意味、また菊の花から感じられる高貴な雰囲気は、ますます私を菊の世界へ引き込みます。
ちなみに、重陽の節句は一年で最後の節句です。今週木曜日の9月9日は「重陽の節句」を思い出してもらえると嬉しいです。
この時期なので、どうしても菊を使ったお料理を作ってみたかったので「春菊と菊花の酢立ち浸し」に挑戦してみました。
さっと茹でた春菊に菊の花びらを、こちらもさっと火を通して出汁に浸したものにカボスを添えた一品です。今回は自分でも驚くほど出汁がうまく取ることができました。これには驚きました。
春菊特有の風味と出汁の甘み、それにほんのり感じられるカボスの酸味とがいい感じです。カボスを薄く切るのは素人の私にとってはなかなか大変ではありましたが、なんとか今週もテーマに沿った一品を作ることができたと思います。
今回使った器は楕円のカットガラスの小鉢です。
手のひらに収まるほどの小さな器です。はっきり言ってしまえば骨董としての稀少性はありません。またクリスタルでもありません。
ですがとてもとても使いやすい器です。カットが綺麗です。
こうして汁のあるものを盛ってもいいですし、果物を少し盛ってみたり甘味系を盛り付けるにはお薦めの出来る器です。
一般的な骨董と呼ばれている括りの器でなくてもこうした器の良さもお料理と季節感のこれら三位一体として感じられた時に、それぞれの持つ魅力が最大限に活かされるのだとあらためて感じることができるようになりました。それも自分でお料理をするようになってから身をもって分かったんじゃないかと思ったりします。
とはいっても最近ではこの手のガラスの器もなかなかお店では見かけなくなってきましたよね。別の意味での稀少価値は上がっているのかもしれませんし、それこそが骨董になっていくのかもしれませんね…。
【品番#U188】楕円ガラス小皿
サイズ:タテ:9.5㎝ ヨコ:8.5㎝ 高さ:4.5㎝
価 格:sold out
状 態:良好
備 考:
[Product #U188] Oval glass small bowl
size:(Width):9.5cm (Depth):8.5cm (Height):4.5cm
price: sold out
stock: none
condition: favourable condition
note:
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杜鵑草 ~器と、そのまわり~ 於保亜希子