【品番#U173】輪島塗鶴図梅椀 (Wajima-nuri plum bowl of Crane painting)
すっかり日が暮れるのも早くなりましたね。秋分を過ぎると日に日に夜の時間が長くなっていきます。
例年なら10月といえば菊祭りが各地でおこなわれますが、今年はやっとちらほらお祭りの開催の話題が目に耳に入ってき始めました。
ちょっとややこしいですが、重陽の節句は旧暦の九月九日なので、本来ならこの菊の季節に執り行われているものだったんですよね、そう考えると重陽の節句が「菊の節句」といわれる所以が理解できます。
菊といえば、先日、香椎宮に行ってきました。香椎宮は私の氏神様になるお宮です。でも、今のところに越してきてからはめったに行く機会がなくなっていました。それはよくよく想いかえすとかなりの長い時間が過ぎていました。
久しぶりに訪れる神社は幼い頃の記憶とは随分違って感じます。西鉄の宮地嶽線の踏切とJR鹿児島本線の踏切を越すと大きな大きな楠の木の並木が続きます(これは地元ネタになりますが、今では西鉄が高架線となって随分、渋滞が解消されたみたいです)。
参道からお宮の敷地に入り最初の鳥居をくぐったあたりからちょっと空気感がちがってくるのがわかります。広い境内に入ると大木が何本もあって高貴な雰囲気が漂っています。今回、お参りに行った時にはちょうど「七五三」のお参りに来ていた子どもとそのご家族を目にしました。この日のために準備された綺麗な着物や袴を着せてもらった子供達、女の子は少しお化粧もしてもらってすこしだけおすましな姿、男の子は走りにくそうに、でも珍しい袴を着せてもらって楽しそうにはしゃいだり、そんな姿を温かく見ているご両親やそのご家族。そんな光景はとても微笑ましく感じられました。きっと数十年前の今頃、私もこんな感じでお参りしたんでしょうね。
そして本殿に来るとあちらこちらに菊の御紋を目にすることになります。五七の桐に菊の御紋…いたるところに見られる金色の大きな菊の御紋、雲ひとつない晴天に朱色の宮殿と緑の大木に包まれた香椎宮にはなんとも言葉にはならない崇高な雰囲気が漂って身が引き締まリます。
さて、この時期になると収穫期となった芋も大きくなってきました。今回はその中のひとつ、里芋についてです。
ところで里芋を畑からきれいに掘り出す方法をご存知でしょうか。里芋には親玉となる大きなお芋を中心にいくつもの子芋が繋がっています。実は、私たちがスーパーで買う里芋の形になるにはひと手間もふた手間も掛かっています。
まず、里芋は親芋からいくつもの子芋がゴロゴロと連なって土の中ではひとかたまりとなった親玉がいます。そこからうっかり子芋をもぎ取る(割ると表現します)と傷が入ってしまうので、ちょっとしたコツがあるのです。
ますは土の中から掘り出した親玉同士を最初に軽くぶつけ合わせることで周りの土が落ちて連なった子芋を割り離しやすくなります。子芋を割る際に天地の方向に逆らわず、軽く力を入れると”パキパキッ”とキレイな澄んだ音がすると子芋はきれいに割れます。でも、この天地を間違って割ると”バキバキ…”と鈍い音がしてお芋が台無しになってしまいます。そのあとは洗って、お芋を成形します。
こうやってひと手間ふた手間かけて、いくつもの子芋が袋に詰められた状態でお店に並んでいるというわけです。
そんな里芋に包丁を入れてキリリとしたお芋料理の材料に仕上げます。
今回はそのような理由で、少しでも包丁使いが上手くなりたいので、日本料理の基本でもある「むき」に挑戦してみました。
むきものには様々な手法があって、高度なものになると日本文化ともいうべき匠の技に近くなりますが、私は今回むきの基本技である「六方(ろっぽう)剥き」に挑戦してみました。
六方というのは、六角形に切り出すむきものです。形から亀の甲羅に見立てて「亀甲(きっこう)」とも呼びますが、おめでたい席で好まれ、色んな食材に用いられるむきものです。骨董の器や、家具にもこの亀甲文様は多く用いられています。
さて、今回のカギとなる「むき」を使ったお料理もいつもながらに大量生産してしまいました。今回もゆうに3桁を越える子芋たちと向き合う(剥き合う…でしょうか?苦笑)時間を過ごしました…。
私たちがお料理屋さんで口にする里芋も、機会があればよくよく眺めて見てください。それはそれはさすがプロの方の包丁使いだと、一目で納得できるものだと思います。「むき」、たったそれだけの仕事、お料理に思えますが、このための丁寧な仕込みの時間を考えると、見た目に全く派手さは無いですが例に漏れず奥の深い一品なんだと思いました。
今回使った器は輪島塗の梅椀になります。梅椀は骨董の興味を持ち始めてから知った器です。この器の良いところはなんともいえない形にあります。
一見すると丼に近く感じるのですが、この大きさから様々な使い方を楽しんでいただける器だと思います。
少し前まではよく仕入れられていたのですが最近ではあまり多くは見かけなくなりました。こちらの器は状態もとてもいいです。
【品番#U173】輪島塗鶴図梅椀
サイズ:直径: 18.0㎝ 高さ:10.5㎝(蓋を閉めた状態)
価 格:¥2,900(税込) / 客(4客あり、バラ売り対応可能)
状 態:良好
備 考:
[Product #U173]Wajima-nuri plum bowl of Crane painting
size:(Diameter): approx 18.0cm (Height): approx 10.5cm
price: ¥2,900/1 plate (Tax included)
stock: 4in all (possible to sold individually)
condition: favourable condition
note:
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杜鵑草 ~器と、そのまわり~ 於保亜希子