【コラム】北の大地にて
北海道の網走に行くのは、一年半ぶりの2回目になります。前回は初めての北海道、初めての網走だったので驚きと感動ばかりだったのですが、今回は思ったより普通に降り立つことができた気がします。
それでも機内から見た北海道の空の上からの眺めはどの山も真っ白の雪で覆われていて、山の頂上がゴツゴツとした山々の陰影が陽の光でくっきりと感じられ、白と黒のコントラストがきれいに表れているその景色はとても印象的でした。
就職で福岡に戻ってくる息子の卒業式と、引越しの手伝いということでこちらに再び来ることになりましたが、引越しの作業は、これほど大変な作業が待ち受けているとは想像はしていなかったので、とても疲れましたがこちらの話はそのあたりにして…。
北の日の出はとても早いことに驚きです。朝の7時ごろには今の福岡でいうとお昼前ぐらいの明るさで、この間訪れた秋の陽の短さとはうって変わってこれまた違いにビックリです。
陽が差し込むといっても今回私が訪れている最中はまだまだ外は最高気温でも5℃前後までしか上がらず寒いです。そんななか時折、粉雪がキラキラと舞い降ります。
道路事情も北の冬ならでは…で、なかなかのものでした。
道には凍結防止のために凍結剤の塩化カルシウムが散布されているせいでどの車も横、うしろは泥がはね上がって汚れていて、道は雪かきされ横に積まれた雪はガッチリ固まっていて危険な感じがヒシヒシと伝わってきます。
冬を越えたとはいえ、この春先はまだ冬の暮らしといってもいい寒さです。
この季節でも、天気のいい日では当たり前に思っている洗濯物を外に干す、お布団を陽に当てるなんてことができないのはやっぱり辛かっただろうなぁなんて思いました。
暮らしていたアパートではそれぞれの部屋に灯油の給油タンクがあって、いつも満タンになっているタンクから毎月使った分だけを請求されるというシステムになっているんだそうです。
室外機を置けないアパートなどの生活環境ではエアコンを使えないので、ストーブや暖炉でしか暖を取ることができません。そして部屋が寒くないようにするには暖をとり続けなければいけません。給油タンクはみるみる消費されて…秋から春先までは続くらしいのです。
早春とはいえ、北の大地は想像はしていたのですが実際に経験するとその環境の違いはあらゆるところで感じられその自然がもたらす暮らしの違いをまざまざと見ることになりました。
さて、卒業式(学位授与式)の当日です。
キャンパスの中の道は雪が取り除かれてきれいに整備され、まだ雪で覆われているキャンパスは、当日の好天にも恵まれどこまでも突き抜けるような青い空と本当に何色にも染まっていない真っ白の雪がとても印象的で、その陽射しにキラキラと光り輝いています。
卒業式が無事に終わり、キャンパス内を少し散策していると、森の中からキタキツネが日中の陽射しに誘われてかトコトコ散歩をしている様子を見ることができました。
まさかの出会いにビックリ!いい季節になるとリスもキャンパス内で見ることができるんだと聞きました。
絶好の卒業日日和にも恵まれて無事に卒業でき、これからまた新しい世界に旅立っていく息子の姿を見ることができたのは何よりの幸せです。
そして、手前味噌ながらもこの環境を過ごし抜いた息子と、その息子を大きく育んでくれた北の大地に感謝です。
そして何より何より色々な方に支えていただいての暮らしでした。思わず手を合わせ「本当にお世話になりました。」と呟くほど網走の方々に感謝してもしきれません。
帰りの飛行機では残念な事に通路側だったので景色に見入ることができませんでしたが、あらためて北海道には足を運ぼうと思います。
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杜鵑草 ~器と、そのまわり~ 於保亜希子