杜鵑草 器と、そのまわり hototogisu

【品番#U192】大黒ねずみ染付七寸皿 ( Blue and white porcelain flat plate with drawing Luck Rat and Radish )

IMG_2999
気がつけば11月も中旬にさしかかろうとしています。今年もあと残すところ50日程度となったわけですが、日にちに換算するとこうして時間が経つのは本当にあっという間だな…とちょっと気持ちが焦ってきます。今年のクリスマスやお正月は楽しめる世の中であって欲しいなと願うばかりです。
 
お店に並ぶお野菜も少しずつ種類が変わってきたように感じます。この時期になると蓮根の収穫期にあたりお店でも掘り立てのレンコンが並びはじます。そこで今週はからし蓮根に挑戦してみました。
からし蓮子といえば熊本となるわけですが、これは全国的に知られていることなんでしょうか?
熊本の郷土料理のひとつに挙げられるからし蓮根。からし蓮根といえばシャキシャキとしたレンコン特有の歯ごたえと、あのツンとくる辛いからさが特徴です。
熊本出身の人はからし蓮根を食べないと帰省した気がしないというのを聞いたことがあります。お正月にはおせち、またお祝いの席では必ずからし蓮根が出てきます。
今回作るにあたって調べてみたところからし蓮根は細川家のお家料理だったというんですが、郷土料理はいつも興味深くて調べれば調べるほどワクワクしてきます。
今から遡ること約四百年前に細川家が肥後五十四万石の太守となって豊前から入国しました。その時に耶馬渓の羅漢寺の玄宅和尚も細川家に従って熊本にやって来ました。
肥後細川家の初代藩主である細川忠利は日頃から体が病弱で、心配した玄宅和尚は「何か栄養のあるものを」と苦心して探していたところ、当時の熊本は沼地が多くいたるところに蓮が繁茂していることに目をつけレンコンには造血効能があることを和漢の書で知り、これを忠利に食べさせようとしました。
しかし忠利は「レンコンは泥の中で育った不浄なもの。」として食さなかったので、「麦味噌の中に和がらしを混ぜ、蓮根の穴につめ、麦粉、空豆粉、卵の黄味を混ぜ合わせた衣をつけ、菜種油で揚げる」というレンコンと分からない料理を作りました。
忠利は口にするとピリッとした辛さも気に入って、常に食し食欲も増してみるみる剛健になられた…というのが「からし蓮根」の由来でした。
 
また、輪切りにしたれんこんの断面が細川家の家紋、九曜(くよう)の紋に似ている事もあって、忠利は「からし蓮根」の製造方法を秘伝とし明治維新まで門外不出の味だったそうです。これが、今でも「からし蓮根」が全国で唯一熊本県でしかつくられない由縁でもあるということでなるほどと思わず納得です。
 
IMG_3011
 
本来は味噌(白味噌、麦味噌)と辛子を混ぜ合わせたものを蓮根の穴に詰め込み、黄色の衣にはウコンやクチナシで着色するようでしたが、私はおからと辛子を混ぜ合わせたものに砂糖と塩で味を整えたものを詰め込み、衣の部分は特に色付けはせず少量のねりカラシを混ぜ込みました。
おからに材料を混ぜ合わせたものは蓮根の穴の大きな方から押し回した感じで詰め込みました。詰めたあとは衣をつけて揚げるのですが、この揚げるときが一番苦戦しました。
あとになり詳しく揚げ方を調べてみると、「針金で作られた引っ掛け棒を蓮根に突き刺して油で揚げる。」とありました。私はお箸を使ってみたり、蓮根の端っこをつまんで衣をつけ揚げたので油が跳ねていくつも火傷を作りました。調べ不足で余計なケガをしてしまった訳です…。
 
また、何度揚げても衣とレンコンの間に隙間ができるので揚げる温度や衣の作り方が悪いのかなと思い、やり直すのですがうまく行きません。それもあとでわかったことですが、そもそも蓮根の皮はむかないのだそうです。
蓮根は切ると糸を引きます。それは山芋などと同様に表面がヌルヌルとしているため衣が絡みにくいということに原因があったようです。他にもいくつかなるほどと思うこともありました。蓮根の切り口を面取りするのだそうです。面取りせず揚げるとそこから空気が入りやすくなってうまく揚がらないというアドバイスも書かれてありました。
全部で15~6本作ったでしょうか、自分自身で納得がいくものはなかなかできませんが、自分で作った揚げたてのからし蓮根はこれまで食べた中で一番美味しかったです。
 
また今回食べるときにポン酢やソースや醤油など色々なものを試してみましが、不思議なもので九州の刺身醤油というかなり甘い醤油で食べるからし辛子蓮根が最高に相性が良いとも感じました。
ま、何をつけて食べるのかは好みの問題かと思いますが、やはりその土地の調味料を使って食べるのが一番合うんだろうなと感じた今回のからし蓮根でした。
からし蓮根のエピソードで細川家の家紋である「九曜紋」についてもとても興味深く、気になることもあってこのあとも調べてみたいと思います。
 
今回使った器はねずみと大根の図柄の染付平皿になります。サイズは七寸です。
こちらの器はとても可愛いねずみに大根が描かれています。ねずみはたくさんの子を産むことから繁栄の象徴とされ、大根も特に二股に分かれたものは子孫繁栄や商売繁盛を表すと言われています。他には大根は根付くなどのおめでたい図柄になります。
これらの二つの図柄を組み合わせ、洒落(こじつけかもしれませんが)で「大黒ねずみ(だいこんくうねずみ…)」という言葉もあるくらいです。そんな意味も踏まえお皿を眺めているとストーリーを感じさせてくれる可愛いお皿だなと思います。
骨董の器は図柄に込められた思いや(意味)を知る楽しみのひとつです。
 
IMG_2993
 
IMG_2991
 
IMG_2992
 
 
【品番#U192】大黒ねずみ染付七寸皿
サイズ:直径:22.5㎝、 高さ:3.5㎝
価 格: 3,000円 (税込) / 2枚 
状 態:良好
備 考:
 
[Product #U192] Blue and white porcelain flat plate with drawing Luck Rat and Radish
size:(Diameter): approx 22.5cm / (Height): approx 3.5cm
price: ¥3,000/ (Tax included)
stock: 2
condition: favourable condition
note:
 
 
骨董の器は通販も対応しております。
商品の購入をご希望されましたら、以下の方法にてお問い合わせください。
〇当サイトのメールフォーム(contactより)
〇杜鵑草(info@hototogisu.me)へのメール
facebook, Instagramのメッセージ
Messengerから
 
 
杜鵑草 ~器と、そのまわり~ 於保亜希子

【品番#U191】 ベロ藍楼閣山水図大鉢 ( Berlin-blue Dodecagon large bowl with painting of landscape and pavilion )

IMG_1827
 
このところ朝晩の寒暖差がグッと感じられるようになってきました。日沈の時刻も日増しに早くなってきました。
山の風景も深秋を感じさせられます。どこからともなくただよう金木犀の香りが心地よく、あたりを見渡せば柿の実はぎっしりと実り、鈴なりの実を抱える木々が重たそうに感じられます。
毎年決まったところに咲き色づく野花や木々を眺めながら「あーもう秋も深まってきたなぁ」とあらためて感じます。
 
このところ私自身は色んな意味でちょっとした節目に差し掛かったようで慌ただしく過ごしています。
先々週は息子の暮らす北海道の網走に思い切って行ってきました。この網走の話もよかったら読んでください。(→よかったらこちらもご覧ください 「北の大地、網走にて思うこと…)」 
そして先日は母の手術…と本当に色んなことがありました。
そうした中で自由になった時間は増えたはずなのに、なかなか思うように体も頭もついていかなくて困っているところです。
 
網走へは息子のところへ行くことが目的だったのであちらこちらと動くこともなかったのですが、空いている時間を見計らって地元のスーパーや道の駅のようところへ寄ってみました。
やはり野菜の大きさの違いや、売っているお菓子ひとつとっても風土の違いを感じることができました。そんなバタバタと訪れた網走でしたが、気がつけば帰りのカバンの中には、すごい量の乾物でいっぱいになっていました。
その中のひとつ昆布は乾物ですので決して重くはないのですが、乾物ゆえに量がかさみ結果カバンはパンパンとなっていました。
他には鱈(たら)の干したものも入っています。私自身、鱈が好きな訳ではないのですが、なぜだか目に留まり気がつけば買っていました。鱈といえば母がお盆に決まって炊いていた記憶があります。鱈は父の大好物で毎年そのシーズンになると面倒そうに母が炊いていて記憶が蘇ります。
母の入院中ひとりでお留守番をしている父に食べさせてあげたいと無意識に買ったんだと思います。ですので今週のお料理は鱈を炊いたものに里芋を炊き合わせることにしました。
 
IMG_2881
 
乾燥した鱈は一晩米の研ぎ汁につけてしっかりと戻します。そしてさらに米の研ぎ汁で戻した鱈を洗うことで鱈特有の臭みを消すことが出来るのだそうです。けれど、ひと晩鱈をつけ戻している間の家の中の匂いといったら凄まじいものでした。
里芋は、今シーズンになりやっと父の畑で採れたものを掘ってきました。
やはり新鮮なとれたての里芋は皮をむいているだけで野菜のみずみずしさが伝わってくるようで、気持ちがほっこり心も柔らかくなります。
 
鱈の料理は福岡の郷土料理でもありますが、北海道で取れる鱈が福岡で食べられるようになったのが不思議で調べたら、そもそも九州の棒タラやタラ胃(タラおさ、タラわた、タラちゅう)の起源は大分県の日田市にあるようです。
九州の中心地として日田は江戸幕府直轄の天領であったことは知られていますが、この地に送り込まれた代官様に、山間部である日田で海産物が食べられていないことから、遠くはるばる江戸から棒タラやタラ胃を取り寄せられていたということです。
それが日田の庶民に広がったとされています。それが、朝倉地区や筑豊地区の山間部で食べられるようになり、福岡市や北九州市、久留米市に広がっていき、食べられるようになったようです。
北海道地方で獲れる鱈の乾物である棒タラやタラ胃が伝播したのも不思議な話ですね。
 
今回の器はベロ藍の鉢になります。
こちらの鉢は12角形になっています。俯瞰して見るとほぼほぼ円形に見えますが、側面から眺めると鉢の縁に当たる部分に直線が感じられるちょっと不思議な鉢になります。見込みには海なのか雲なのか藍で描かれていて見込み面には楼閣と山水が描かれています。
今回は鱈の煮物をどっさりと盛ってみましたが、サラダなどにも使ってみたくなります。
鉢の側面には梅と井桁の武田菱の文様らしきものが描かれています。とても手が込んだ面白い図柄だと思います。
 
IMG_1828
 
IMG_1829
 
IMG_2915
 
IMG_2911
 
 
【品番#U191】ベロ藍山水画鉢
サイズ:直径:24.7㎝、 高さ:9.0㎝
価 格: 23,000円 (税込) / 客 
状 態:良好
備 考:
 
[Product #U191] Berlin-blue Dodecagon large bowl with painting of landscape and pavilion
size:(Diameter): approx 24.7cm / (Height): approx 9.0cm
price: ¥23,000/ (Tax included)
stock: only one
condition: favourable condition
note:
 
 
骨董の器は通販も対応しております。
商品の購入をご希望されましたら、以下の方法にてお問い合わせください。
〇当サイトのメールフォーム(contactより)
〇杜鵑草(info@hototogisu.me)へのメール
facebook, Instagramのメッセージ
Messengerから
 
 
杜鵑草 ~器と、そのまわり~ 於保亜希子

【品番#U173】輪島塗鶴図梅椀 (Wajima-nuri plum bowl of Crane painting)

IMG_2315
 
すっかり日が暮れるのも早くなりましたね。秋分を過ぎると日に日に夜の時間が長くなっていきます。
例年なら10月といえば菊祭りが各地でおこなわれますが、今年はやっとちらほらお祭りの開催の話題が目に耳に入ってき始めました。
ちょっとややこしいですが、重陽の節句は旧暦の九月九日なので、本来ならこの菊の季節に執り行われているものだったんですよね、そう考えると重陽の節句が「菊の節句」といわれる所以が理解できます。
菊といえば、先日、香椎宮に行ってきました。香椎宮は私の氏神様になるお宮です。でも、今のところに越してきてからはめったに行く機会がなくなっていました。それはよくよく想いかえすとかなりの長い時間が過ぎていました。
久しぶりに訪れる神社は幼い頃の記憶とは随分違って感じます。西鉄の宮地嶽線の踏切とJR鹿児島本線の踏切を越すと大きな大きな楠の木の並木が続きます(これは地元ネタになりますが、今では西鉄が高架線となって随分、渋滞が解消されたみたいです)。
参道からお宮の敷地に入り最初の鳥居をくぐったあたりからちょっと空気感がちがってくるのがわかります。広い境内に入ると大木が何本もあって高貴な雰囲気が漂っています。今回、お参りに行った時にはちょうど「七五三」のお参りに来ていた子どもとそのご家族を目にしました。この日のために準備された綺麗な着物や袴を着せてもらった子供達、女の子は少しお化粧もしてもらってすこしだけおすましな姿、男の子は走りにくそうに、でも珍しい袴を着せてもらって楽しそうにはしゃいだり、そんな姿を温かく見ているご両親やそのご家族。そんな光景はとても微笑ましく感じられました。きっと数十年前の今頃、私もこんな感じでお参りしたんでしょうね。
そして本殿に来るとあちらこちらに菊の御紋を目にすることになります。五七の桐に菊の御紋…いたるところに見られる金色の大きな菊の御紋、雲ひとつない晴天に朱色の宮殿と緑の大木に包まれた香椎宮にはなんとも言葉にはならない崇高な雰囲気が漂って身が引き締まリます。
 
IMG_2309
 
さて、この時期になると収穫期となった芋も大きくなってきました。今回はその中のひとつ、里芋についてです。
ところで里芋を畑からきれいに掘り出す方法をご存知でしょうか。里芋には親玉となる大きなお芋を中心にいくつもの子芋が繋がっています。実は、私たちがスーパーで買う里芋の形になるにはひと手間もふた手間も掛かっています。
まず、里芋は親芋からいくつもの子芋がゴロゴロと連なって土の中ではひとかたまりとなった親玉がいます。そこからうっかり子芋をもぎ取る(割ると表現します)と傷が入ってしまうので、ちょっとしたコツがあるのです。
ますは土の中から掘り出した親玉同士を最初に軽くぶつけ合わせることで周りの土が落ちて連なった子芋を割り離しやすくなります。子芋を割る際に天地の方向に逆らわず、軽く力を入れると”パキパキッ”とキレイな澄んだ音がすると子芋はきれいに割れます。でも、この天地を間違って割ると”バキバキ…”と鈍い音がしてお芋が台無しになってしまいます。そのあとは洗って、お芋を成形します。
こうやってひと手間ふた手間かけて、いくつもの子芋が袋に詰められた状態でお店に並んでいるというわけです。
 
そんな里芋に包丁を入れてキリリとしたお芋料理の材料に仕上げます。
今回はそのような理由で、少しでも包丁使いが上手くなりたいので、日本料理の基本でもある「むき」に挑戦してみました。
むきものには様々な手法があって、高度なものになると日本文化ともいうべき匠の技に近くなりますが、私は今回むきの基本技である「六方(ろっぽう)剥き」に挑戦してみました。
六方というのは、六角形に切り出すむきものです。形から亀の甲羅に見立てて「亀甲(きっこう)」とも呼びますが、おめでたい席で好まれ、色んな食材に用いられるむきものです。骨董の器や、家具にもこの亀甲文様は多く用いられています。
 
さて、今回のカギとなる「むき」を使ったお料理もいつもながらに大量生産してしまいました。今回もゆうに3桁を越える子芋たちと向き合う(剥き合う…でしょうか?苦笑)時間を過ごしました…。
私たちがお料理屋さんで口にする里芋も、機会があればよくよく眺めて見てください。それはそれはさすがプロの方の包丁使いだと、一目で納得できるものだと思います。「むき」、たったそれだけの仕事、お料理に思えますが、このための丁寧な仕込みの時間を考えると、見た目に全く派手さは無いですが例に漏れず奥の深い一品なんだと思いました。
 
今回使った器は輪島塗の梅椀になります。梅椀は骨董の興味を持ち始めてから知った器です。この器の良いところはなんともいえない形にあります。
一見すると丼に近く感じるのですが、この大きさから様々な使い方を楽しんでいただける器だと思います。
少し前まではよく仕入れられていたのですが最近ではあまり多くは見かけなくなりました。こちらの器は状態もとてもいいです。
 
IMG_2327
 
IMG_2322
 
 
【品番#U173】輪島塗鶴図梅椀
サイズ:直径: 18.0㎝ 高さ:10.5㎝(蓋を閉めた状態)
価 格:¥2,900(税込) / 客(4客あり、バラ売り対応可能)
状 態:良好
備 考:
 
[Product #U173]Wajima-nuri plum bowl of Crane painting
size:(Diameter): approx 18.0cm (Height): approx 10.5cm
price: ¥2,900/1 plate (Tax included)
stock: 4in all (possible to sold individually)
condition: favourable condition
note:
 
 
骨董の器は通販も対応しております。
商品の購入をご希望されましたら、以下の方法にてお問い合わせください。
〇当サイトのメールフォーム(contactより)
〇杜鵑草(info@hototogisu.me)へのメール
facebook, Instagramのメッセージ
Messengerから
 
 
杜鵑草 ~器と、そのまわり~ 於保亜希子

【品番#U155】色絵長月図なます皿 (Lobed bowl with drawing October atmosphere)

IMG_2150
 
山はとてもいい季節を迎えました。
すこし肌寒いかな…と感じだすくらいの宵のころになると、どこからともなく鳴き始める虫の声がとても心地よく感じられます。
今日は夕方日が沈みかけたころに、野焼きをしている匂いを感じました。それは幼いときに嗅いだ懐かしい匂いとおなじでなんだか安らぎを感じホッとしました。
 
最近では、かなり投稿が遅れていることを気に留めているのですが、なかなか思うように時間が取れずにいます。自分のことだけ考えて自由に過ごしていた若い頃がどれだけ恵まれていたかということにあらためて気付かされます。
今この歳になって思うことは、焦らず、ひとつひとつ向き合っていきたいと思います。
 
最近思うことがあります。それは「ありがとう」ということばの持つ力です。
そう思うようになったのは、母は急に体が悪くなり自分のこと自身で思うようにならなくなってきました。それもあって私はこれまでより実家に通う機会が増えました。
家に行って何か特別なことをするわけではなく、部屋の掃除や食事の準備など日常のことをするだけなのですが、その度に両親から「ありがとう」と何度も何度もことばをかけられます。遠く離れた兄からも「ありがとう、とても助かるよ」とことばをもらいます。
たったそれだけのことなのですが、この「ありがとう」ということばをかけられると、不思議とまるで魔法にかかったように私の中にあったザラザラとした気持ちのようなものが優しい色に変わり形がまあるくなっていくのを感じます。
 
こんなにありふれたことばなのに、「どうして心に響くんだろう…?」。ふと思い返すと気になります。そこで「ありがとう」ということばをあらためてちょっとググってみました。
そこには、「ありがとう」とは「有り難し(ありがたし)」と書き、その意味は「有る(ある)こと」が「難い(かたい)」ということで、本来は「滅多にない」や「珍しくて貴重だ」ということです。そして「ありがとう」の反対語は?というと、「当たり前」と書かれていました。毎日の生活の中で「当たり前」と思っていることは実はたくさんの人に支えられて成り立っていること、身近な家族のおかげで可能になっていることだと記されていました…。
今回両親はこれまで当たり前にできていたことや、そう思っていたことに対してあらためて感謝の気持ちを実感し、それを代わってやっている私に「ありがとう」と思いを伝えているからこそ、こんなに心に響いているんだと感じ入ったのだと思います。
これからは意識してこの「ありがとう」ということばも使ってみようかと思いました。
 
今週挑戦したお料理は「小袖餅」をアレンジしたお菓子になります。「小袖餅」、なんて素敵な呼び方なんだと思いました。
もともと「小袖餅」の名前の由来は九州にありました。熊本県の宇土にある宇土城主の名和伯耆左衛門尉(なわほうきさえもんのじょう)のエピソードから「小袖餅」と名付けられたなんとも心温まる物語があるお菓子です。まんが日本昔ばなしに「孝行娘」というタイトルでアニメにもなっていました。YouTube にありましたので 「孝行娘」を是非ご覧になられてみてください。
孝行娘はこちらから…YouTube
 
小袖餅は着物の袖がキーワードとなっていているお菓子です。色々な作り方を参考にさせてもらい、今回は器に合わせて私なりにアレンジした小袖餅になります。
皮はふっくらと食べやすいように卵白が多めに入っています。クレープの皮を焼くようにして餡子を包んでみました。何回も何回も失敗しやっと美味しく作ることができた餡子を包んだ小袖餅は、間違いなく私のお気に入りのお菓子となりました。
うまく形になるまでにこの皮を(恐らく50枚ほどは…)繰り返し焼くことでなんとか、お見せできる形に仕上げることができました。
 
IMG_2202
 
たくさん作った小袖餅の皮もしっかり私の身に付きました。
ちなみに先週のことになりますが、投稿するために「おはぎ」を作ったのです。残念ながら原稿まで起こすことができず作ったおはぎはお披露目できませんでした。でも、今週と同じようにたくさん試作をしたおはぎは全て私の口の中へ入っていき、全てが身に付いてしまいました…。
この季節は怖くもあります…苦笑
 
今回使った器は、秋草図のなます皿になります。この時期にとても使ってみたくなる器です。ススキに秋の草花そして月が描かれています。
器としてだけでなくしつらえとしスタンドに立てかけ秋の実りを添えても素敵だなと思います。
全体的に渋いイメージの器になりますが、この季節にはピッタリの器です。
 
IMG_2159
 
IMG_2161
 
【品番#U155】色絵長月図なます皿
サイズ:直径:15.5㎝ 高さ:4.8㎝
価 格: 2,900円 (税抜) / 枚 (10枚あり、バラ売り対応可能)
状 態:良好
備 考:
 
[Product #U155] Lobed bowl with drawing October atmosphere
size:(Diameter): approx 15.5cm (Height): approx 4.8cm
price: ¥2,900/1 plate (Tax not included)
stock: 10 in all (possible to sold individually)
condition: favourable condition
note:
note:
 
 
骨董の器は通販も対応しております。
商品の購入をご希望されましたら、以下の方法にてお問い合わせください。
〇当サイトのメールフォーム(contactより)
〇杜鵑草(info@hototogisu.me)へのメール
facebook, Instagramのメッセージ
Messengerから
 
 
杜鵑草 ~器と、そのまわり~ 於保亜希子

【品番#U189】ベロ藍茶碗 (Berlin-blue rice bowl)

IMG_2095
 
先週ひとつのヤマを越えた私は、久し振りにのんべんだらりと数日間を過ごしました。
髪の毛を切りに行ったり、読めずに溜めていた本を読んでみたり、ずっと思っててなかなかできなかったことをやってましたが、あっという間に一週間経ってしまいました(笑)。
この時期、台風のシーズンですがおとといは九州北部を大きな台風が通り去っていきました。そのせいか田んぼのあぜ道を真っ赤に染めるはずの彼岸花が見るとひっちゃかめっちゃかになっていて悲しかったです…。
彼岸花も実った稲も気持ちいいほどに秋の青空に向かって真っすぐに伸びている様子は秋の景色には欠かせないのですが、この台風でなぎ倒されている姿に、“頑張ってね”って思わず声を掛けてしまいました。
そうやって季節の移りを日々感じていますが、これからがお米の収穫期なのですよね…。場所によっては稲刈りが始まり、店頭には新米が並び始めます。
 
そういうわけで今週は新米を使ってなにか作ってみようと思っていたので、知らず知らず無意識のうちに新米を探し回っていたようです。
ところがまだちょっと新米の時期には数週間早いようで、お店の新米は場所によっては店頭に出されると即完売されるようです。やっとの思いで今年の新米を手に入れ、早速炊いて食べてみました。釜の蓋を開けた瞬間に炊き上がったお米は艶々とした透明感があって、お米から立ち込める甘い香りの湯気が香りました。食べてみても新米ならではの水々しく甘いおいしいお米でした。
 
美味しいお米といえばやはりなんといってもおにぎりです。そうです、やっぱり艶々のお米はこれに限ります。今週は新米のおにぎりにひと工夫かけ、卵かけご飯にしたお料理二品に挑戦してみました。
ひと品目は焼きおにぎりにです。醤油麹で味をつけた溶き卵を新米を炊き上げたご飯と混ぜてしっかりとしみこませたあとでおにぎりにします。そのおにぎりは表面がカリッとするくらいに炙り、熱々のおにぎりに梅干しをつけ、パリパリの美味しい海苔で包みます。
そしてもうひと品はこの焼きおにぎりをお茶漬けにしました。具材はとってもシンプルに紫蘇と梅干しに海苔です。そこにほんの少しワサビを添え、熱々のお茶を注いでいただきます。
どちらもとてもシンプルなお料理ですが、本当に美味しいお料理です。お米の美味しさを心底味わえ、ついつい食べすぎてしまいます(ある意味とても危険なお料理だと思います…)。
おにぎりもお茶漬けもご存知でしょうが、お好みの具材を使っていろんなアレンジができます。
 
IMG_2081
 
今回の器は印判の平皿とベロ藍の茶碗を使ってみました。
器は明治以降の器になり、当時はどちらも量産されたものでそのころは庶民的な器であったはずです。でもこうした器でも今の時代で使ってみると不思議な雰囲気を感じさせてくれます。
平皿はガラスのソーサーや焼き菓子を盛ってみたり、またお茶碗にはパスタやスープを盛り付けても素敵だと思います。
骨董の器をまだ使ったことがない方はこのあたりの器からお使いになられてみてはいかがでしょうか。どちらもとても使い勝手の良い器でおすすめです。
 
IMG_2091
 
IMG_2092
 
IMG_2093
 
 
【品番#U189】ベロ藍茶碗
サイズ:(直径)10.5㎝ (高さ) 5.8㎝
状態:良好
価格:1,320円(税込み)/個
備考:在庫5枚
 
[Product #U189] Berlin-blue rice bowl
size: (One side length): approx 10.5cm / (height):approx 5.8cm
price: ¥1,320/piece (Tax included)
stock: 5 in all
condition: favourable condition
note:
 
 
印判平皿はこちらのご紹介をご覧ください・・・こちらから
 
【品番#U185】印判平皿
サイズ:(直径)14.3㎝ /(高さ)3.0㎝
状態:良好
価格:1,400円(税込み)/個
備考:在庫4枚
 
[Product #U185] Inban flat plate
size: (Diameter): approx 14.3cm / (height):approx 3.0cm
price: ¥1,400/piece (Tax included)
stock: 4 in all
condition: favourable condition
note:
 
 
骨董の器は通販も対応しております。
商品の購入をご希望されましたら、以下の方法にてお問い合わせください。
〇当サイトのメールフォーム(contactより)
〇杜鵑草(info@hototogisu.me)へのメール
facebook, Instagramのメッセージ
Messengerから
 
 
杜鵑草 ~器と、そのまわり~ 於保亜希子

ページトップへ
mishima

於保 亜希子 プロフィール

1968年3月、福岡県生まれ。

骨董商。器コーディネーター。

「器と、そのまわり杜鵑草」 代表。

 

 幼い時より両親の影響で骨董や山野草に囲まれた生活を送り、茶道、華道を学ぶ。

 

短大卒業後、広告制作会社、広告代理店などで勤務。24歳のとき、仕事で出会った骨董の器に見せられ、骨董について学ぶようになる。

学びを深めるうちに、骨董が一部の収集家によって装飾美術品として飾られていることに疑問を感じ、料理とのコーディネートによって、暮らしの中で骨董の素晴らしさを伝えていきたいと考える。結婚して一児の母となった後も骨董に携わり続け、2013年より本格的に骨董商として起業。

 

茶道や華道の要素および、四季の植物を取り入れた皆敷(料理に添える木の葉など、和食の盛り付け文化)の技法を生かし、骨董と料理が織りなす魅力的な世界の構築に挑戦している。

季節感や情景の表現を得意とし、独自の皆敷のスタイルを提唱。

骨董の器と皆敷のワークショップならびにコラム執筆等、精力的に普及活動を行っている。

 

Facebookページ
器と、そのまわり 杜鵑草(ホトトギス)

×
mishima

於保 亜希子 プロフィール

1968年3月、福岡県生まれ。

骨董商。器コーディネーター。

「器と、そのまわり杜鵑草」 代表。

 

幼い時より両親の影響で骨董や山野草に囲まれた生活を送り、茶道、華道を学ぶ。

 短大卒業後、広告制作会社、広告代理店などで勤務。24歳のとき、仕事で出会った骨董の器に見せられ、骨董について学ぶようになる。

 

学びを深めるうちに、骨董が一部の収集家によって装飾美術品として飾られていることに疑問を感じ、料理とのコーディネートによって、暮らしの中で骨董の素晴らしさを伝えていきたいと考える。

結婚して一児の母となった後も骨董に携わり続け、2013年より本格的に骨董商として起業。

 

茶道や華道の要素および、四季の植物を取り入れた皆敷(料理に添える木の葉など、和食の盛り付け文化)の技法を生かし、骨董と料理が織りなす魅力的な世界の構築に挑戦している。

 

季節感や情景の表現を得意とし、独自の皆敷のスタイルを提唱。骨董の器と皆敷のワークショップならびにコラム執筆等、精力的に普及活動を行っている。

 

Facebookページ
器と、そのまわり 杜鵑草(ホトトギス)

×
【 送料について 】
◯配送は日本国内、海外配送ともに対応致します。
◯2カ所以上に配送をご希望の場合は、それぞれに送料が発生します。

地帯名称 南九州 北九州 四国 中国 関西 北陸 東海 信越 関東 南東北 北東北 北海道
県名 熊本県
宮崎県
鹿児島県
福岡県
佐賀県
長崎県
大分県
徳島県
香川県
愛媛県
高知県
鳥取県
島根県
岡山県
広島県
山口県
滋賀県
京都府
大阪府
兵庫県
奈良県
和歌山県
富山県
石川県
福井県
岐阜県
静岡県
愛知県
三重県
新潟県
長野県
茨城県
栃木県
群馬県
埼玉県
千葉県
東京都
神奈川県
山梨県
宮城県
山形県
福島県
青森県
岩手県
秋田県
 
サイズ 重量(kg)                        
60 2kg迄 500円 500円 600円 500円 700円 800円 800円 800円 800円 1,300円 1,300円 1,700円
80 5kg迄 580円 580円 850円 580円 950円 1,000円 1,000円 1,000円 1,000円 1,550円 1,550円 1,950円
100 10kg迄 1,000円 1,000円 1,200円 1,000円 1,000円 1,250円 1,250円 1,250円 1,250円 1,800円 1,800円 2,200円
140 20kg迄 1,250円 1,250円 1,350円 1,250円 1,450円 1,550円 1,550円 1,550円 1,550円 2,050円 2,050円 2,450円
160 30kg迄 1,500円 1,500円 1,600円 1,500円 1,700円 1,700円 1,700円 1,700円 1,700円 2,300円 2,300円 2,700円
  10kg迄増 250円
170   2,200円 2,200円 2,300円 2,200円 2,300円 2,400円 2,400円 2,400円 2,400円 2,800円 2,800円 3,200円
180   2,450円 2,450円 2,550円 2,450円 2,550円 2,650円 2,650円 2,650円 2,650円 3,050円 3,050円 3,450円
200   2,950円 2,950円 3,050円 2,950円 3,050円 3,150円 3,150円 3,150円 3,150円 3,550円 3,550円 3,950円
220   3,450円 3,450円 3,550円 3,450円 3,550円 3,650円 3,650円 3,650円 3,650円 4,050円 4,050円 4,450円
240   4,450円 4,450円 4,550円 4,450円 4,550円 4,650円 4,650円 4,650円 4,650円 5,050円 5,050円 5,450円
260   5,450円 5,450円 5,550円 5,450円 5,550円 5,650円 5,650円 5,650円 5,650円 6,050円 6,050円 6,450円

※税別価格表示
※沖縄については別途料金を適用させて頂きます。
※離島については、別途実費をご負担お願いします。

×