【品番#U186】染付竹林賢人図なます皿 ( Lobed bowl with drawing Seven Sages of the Bamboo Grove )
毎日毎日、暑いですね。本格的な夏到来です!
今週は卵豆腐に挑戦してみました。卵豆腐を選んだのは最近急に体調が悪くなってしまった母に食べてもらいたいからでした。
母は卵豆腐が大好きなので元気をつけてあげたいと思い、いつもながら、投稿のお料理に選んだわけです。ところが、ご想像のとおり毎週お決まりのキメ台詞が今週も出てしまうことになりました。この卵豆腐をつくるにあたって東京オリンピックの開催で特別な4連休の全てを費やしてしまいました…。
ところで、お料理には「煮る」・「焼く」・「蒸す」・「揚げる」などと調理方法がありますが、この卵豆腐は私の日々の暮らしの中で一番馴染みの薄い「蒸す」という調理方法です。
そもそも蒸しの技術がない上に、道具もちゃんとした蒸し器を持っていなくて、持っているものといえばお鍋にちょっとした道具を添えて蒸すことができるような道具くらいです。ところが何度挑戦したでしょうか…。もう何度やってもやってもできなくて、ついに実家から蒸し器を持ち出すことになりました。
そして、もっと正確にお伝えすると、今回のお料理は当初もっと無謀な事に挑戦をしていたのです。実は、今が旬のトウモロコシを使った卵豆腐を作ろうとしていたのです。それでもうまくいかなくて、これでは今週投稿ができないというのと、母を喜ばせたいということで急遽、卵豆腐に変更しました(ちょっと私の都合ですが…苦笑)。
ところが、卵豆腐に変えてもまーできないできない。途中で何度も嫌になって放り出したくなりました。
毎回準備をして失敗を繰り返すたびに、これでもダメなの?これでも?と気持ちは折れそうになるのですが、そのたびに気を取り直し、もう一度、もう一度といつも自分自身を鼓舞しています。
でも、毎週毎週こんなことをムキになってやって「仕上がりの形」にこだわるためにこんな追い込んだ気持ちで作る料理って本当に美味しいんだろうか、とそんなことすら思うようになってきました。
取り組み始めた当初は、楽しいから、やりたいからやってるんじゃなかったけ?と問いかけて気持ちを整えてもう一度作ってみるのですが、結果はうまくいかず思うような形にならないんです。
これではダメだと思っていつも相談にのっていただいているお料理人さんに今回の失敗を相談したところ、失敗の原因と考えられる点について、アドバイスを丁寧にしてくださいました。決して十分ではないにせよ道具のせいでなく使い方を間違っていたこと、また今回の食材の調理方などの説明を受けました。
信じられないほどの失敗をして聞くアドバイスは「なるほど」と納得することばかりです。失敗をしてなければスッと入ってこないことも全て体に入ってきます。
そして、最後に「失敗は成功の素ですよ」とかけていただいた言葉がぐっと心に響きました。
「そうだ!そうだ!こんな年齢になって何を言ってるんだっ!」と自分でもおかしいですが、なにか腑に落ちることがあります。
成功するにはいくつかの理由があるんだとは思いますが、そのひとつに、思ったことを行動に移すことなんだと思います。
なかなかこの歳になって行動に移すということは正直億劫でもあります。これは年齢を問わずいえることのような気がします。そしてこれまでも分かってはいたのですが、思ったことを行動に移してこその失敗です。たとえその時に思ったような成果が得られなかったとしても、失敗は行動した人だけが得られる唯一の経験です。
失敗しても得られた体験がこの「成功の素」なわけです。私はすでに成功するための素は手に入れてるんだ、と思うとととても嬉しく感じました。
このところお料理を作るうえでこれまでも「卵の素」やほかにもいくつかの「素」を知りましたが、今回はいちばんの「素」を本当に手に入れたような気がします。
何度も何度も蒸し器の蓋を開けたり閉めたりするたびに掛けたメガネが蒸気で曇って一瞬見えなくなります。
そんなことを繰り返す自分自身がおかしくておかしてくて…。こうして書いている途中でもまだちゃんとした卵豆腐はできてません。でも成功の素を手に入れたので、こんな状況でも楽しめて取り組むことができました。
卵豆腐は卵に出し汁を混ぜ合わせ卵豆腐器に流し込み蒸して作ります。たったそれだけなのに本当に本当にむずかしい料理でした。
卵豆腐の注意すべき点は仕上がったときに卵の表面や中に「す」ができていないこと、そして柔らかいはずの卵豆腐の角をキリリと見せてあげることだと教わりました。
また蒸す際には蒸している最中に“蒸し器に溜まった水蒸気の水滴が卵豆腐の表面につかないよう”に卵豆腐器の上にお箸のようなものを置き、その上に紙をのせます。蒸す際にはほんの少し蓋をずらした状態で弱火でじっくりと蒸していきます。
文字にするとたったそれだけの工程です。それなのにうまくいかないのです。
そして仕上がれば今度はまた盛り付けもとてもとても難しくて…。シンプルな料理だからこそ全てにおいて技量を問われる料理なんだと痛感しました。
今思うと、まだまだ私には早い課題でした。無謀でしたが失敗する事何十数回目でやっとやっとなんとかこうしてアップしてもいいかなと思える卵豆腐ができました。今週もこうしてなんとか投稿できる目処がついて正直ホッとしています。
こうして出来上がった今回の卵豆腐はトウモロコシの優しい甘味とよく合っていて本当においしいです。母にもこの卵豆腐を届けてあげたいと思っています。
そして今回ご紹介する器は竹林賢人図のなます皿です。
この図柄は不思議と男性の方が好まれる図柄のようです。最初骨董に興味を持った頃、この図柄のどこがいいのか?そしてまたこれが竹林には到底見えませんでした。でもこのお皿に描かれている図柄は昔々の中国の三国魏の末期に竹林に住む、お酒を飲んだり、詩を詠んだりとまぁなんとも自由奔放に生活を送られた7人の文人賢人の図柄だということを知りました。
ちょっと表情も面白いので写真を添えておきます。卵豆腐にぴったり、この季節にしっくりくる図柄だと思い今回使って見ました。
【品番#U186】染付竹林賢人図なます皿
サイズ:(直径)14.5㎝ /(高さ)3.5㎝
状態:良好
価格:4,000円(税込み)/個
備考: 在庫4枚
[Product #U186] Lobed bowl with drawing Seven Sages of the Bamboo Grove
size: (Diameter): approx 14.5cm / (height):approx 3.5cm
price: ¥4,000/piece (Tax included)
stock: 4 in all
condition: favourable condition
note:
骨董の器は通販も対応しております。
商品の購入をご希望されましたら、以下の方法にてお問い合わせください。
〇当サイトのメールフォーム(contactより)
〇杜鵑草(info@hototogisu.me)へのメール
〇facebook, Instagramのメッセージ
〇Messengerから
杜鵑草 ~器と、そのまわり~ 於保亜希子