杜鵑草 器と、そのまわり hototogisu

【品番#U195】sold out-色絵菊文様七寸平皿 (Color Chrysanthemum pattern Flat plate)

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いよいよ師走ですね。これからクリスマスにお正月、主婦は月末はお正月の準備、そしてその前に子供達は冬休みに入ります。
今年も残すところあと1ヶ月を切ったわけですが、もうそんな時期に入ったんですね…というと自分自身に気合いが入ってキビキビと動くのかと思いきや、あれやこれやと色んなことがあって今年は全くピンときていません。
毎年12月も中旬に差し掛かるとやることがドンドン溜まりだし、日常は慌ただしくなって年末に突入にすることになり、あれよあれよという間に新年を迎えることになり、あ~もっと早く動いておくべきだった…と決まって後悔することを思い出しました。
今年こそはそんなことがないように計画的にカウントダウンを迎えたいとあらためて思いました。
 
最近では私の暮らす山里の景色も冬の装いに一変しました。昨日は実家から見える脊振山の山頂は雪が降っていたようです。
ほんの少し前まで山は紅葉した木々たちで色付いていたのですが、木々たちも葉っぱを落としあっという間に裸木になってしまいました。今ではすっかり雪の傘をかぶっています。
 
ところで何を作ろうかなと今週も考えていましたが、私がこの時季に食べたい好きなものは…?と思いを巡らせ野菜を覗きにお店に足を運ぶと山芋が目につきました。ということで今週は山芋を使った何かを作りたいと、そんな気持ちになりました。
仕事を終え、寒い外から暖かい家に帰って、トロトロでアツアツの山芋の料理はおなかの中から温まる感覚がなんともたまりません。そんなことを想像しながら今週は、以前本を読んでいるときに気になっていた「つくね芋の磯部揚げ」を作ってみることにしました。
山芋は大きく分類して「長芋」、「大和芋」、「自然薯」の3種類があるといわれていてそれぞれ特徴があります。
「長芋」はやや粗く水分が多く粘りは比較的弱く、「大和芋」は独特な味わいと滑らかな粘り強さがありとろろにするのに向いています。「自然薯」は粘りが強くコクやうま味も濃い特徴があります。
それぞれ異なるこれらの山芋は栄養分にはさほど変わりはなく、山芋の滋養栄養分も調べてみると良い効果ばかり色々含まれています。
 
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今回は粘りが強い大和芋(つくね芋)をすりおろし海苔で包んで揚げた一品です。すりおろすとつくね芋のふわふわとした感じが軽いお餅のようにも感じられとても美味しいひと品となりました。
本当は自然薯で作りたのですが近くのお店ではどうしても手に入れることができなかったので大和芋を使ったのです。
でも初めの試作段階では冷蔵庫に入っている長芋でまずは作ってみました。ところが長芋は水分を多く含んでいるので、揚げることがなかなか大変でした。形が整わず片栗粉を少し加えたりしてみたのですが、やはりうまくいかず断念しました。
でもやっぱり長芋の場合は生で食べるのがいいんだという感じです。
つくね芋の磯部揚げは、特に揚げたては軽く振り塩をした塩味だけで最高に美味しかったです。
 
今回使った器は色絵の菊文様七寸平皿になります。今回の平皿は見た目の印象とはちょっと違い、菊の橙色と繊細すぎない葉っぱの緑と金彩が絶妙に素敵な器でなんと表現したらいいのか本当にお料理を盛り映えさせてくれます。
これから年末年始のイベントシーズンには大いに役立ってくれる器だと思います。
 
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【品番#U195】色絵菊文様七寸平皿
サイズ: 直径:22.0㎝、 高さ:3.5㎝
価 格: sold out
状 態: 良好
備 考:
 
 
[Product #U195] Color Chrysanthemum pattern Flat plate
size:(Diameter): approx 22.0cm / (Height): approx 3.5cm
price: sold out
stock: none
condition: favourable condition
note:
 
 
骨董の器は通販も対応しております。
商品の購入をご希望されましたら、以下の方法にてお問い合わせください。
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杜鵑草 ~器と、そのまわり~ 於保亜希子

【品番#U194】楼閣図猪口 (Landscape and pavilion Choko cups)

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朝は寒くてお布団から出るのがつらく感じられるようになってきました。最近ではいつお布団から出ようかなっと考えている間に時間がどんどん過ぎて朝のスタートが少し遅くなってきている気がします。
 
先日私は数年ぶりに大阪と東京へ行きました。大阪は大切な方に会うために、東京は必要な情報を収集するために、それぞれの目的がありました。その東京の出来事を少しだけ書きたいと思います。
東京は本当にいいな…と今回あらためて感じました。それは探していたものが手を伸ばせばすぐのところにあって実際にそれを集めて手に取ることができます。色んなものが東京には集まっているので、本当に本当にいいなと思います。あらためてそう感じます。
今回はどうしても気になっていた場所があり(おもに書籍探しになりますが)、そこへ行きました。なんでもネットで手に入る時代だと言われますが、やっぱり希少価値の高いもの、やはり感じでなければわからないもの実際に足を運んで得られるものが多く、福岡にいると探してもなかなか手に入らなかったものが最高の環境で直ぐに手に取ることができるんです。おかげでテンションも上がり大満足の時間を過ごすことができました。
 
またいつも山で見ている紅葉と東京の街の中で見られる紅葉ではまた趣きが違って街の紅葉も素敵だな~とも感じました。
この二年近くはコロナ禍で私自身も含め人の動きが全く変わりました。でも、こうして実際に動いて実際に感じることがこれまですごく当たり前であったはずのことで、それがどれだけ大切なことかということをあらためて感じた時間になりました。
 
さて今週は卵酒を作ってみました(作るというまでもないのですが…)。
夜になると寒く感じられるこの季節には温かい飲み物が恋しくなります。そんな中でも卵酒は大好きな飲み物です。お酒が飲めない私でもこれだと飲めます。
卵酒といえば、私が子どもの頃に風邪をひきかけたというと祖母が心配して作ってくれていた懐かしい想い出があります。普段は寝がけに甘いものは虫歯になるからダメだと言われていたのですが、風邪をひきかけたその時だけは特別にそれが許されて、「大丈夫?」と心配されながら作ってもらう卵酒は、淡い黄色の卵の色がとても優しく、あつあつでほんのり甘い香りがして、もうそれだけでとびきり嬉しかったことを思い出します。
卵酒はお酒に砂糖を加えて煮立ったところへ卵を割り入れ、よくかき混ぜながら煮詰まらないうち飲む方法と、あらかじめ卵と砂糖をかき混ぜて器に入れておいたものに熱々のお酒を注ぎながら火をつけてアルコールを飛ばす方法があります。
大人になってからは卵と砂糖を混ぜた器にお酒を注ぐときにほわ〜とお酒にやさしい火がつく瞬間が楽しくて、こちらの作り方が私は好きです。
 
風邪のひきかけでなくても、いつもより寒く感じられる夜などには卵酒で体を温めてゆっくり寝床につくのも楽しみのひとつです。
他にも体を温める飲み物は葛湯、生姜湯、ホットワイン、洋酒を効かせたものなど色々とあります。この季節、ちょっと寒い夜によかったらどうぞ作ってみてくださいね。
 
 
今回使った器は染付けの猪口になります。楼閣図が描かれています。
こちらの器はいくつかあったのですがひとつだけ置いてけぼりになってしまったものになります。こちらの器は時代もそこそこあります。
薄手で口当たり部分は隣花になっていて瓔珞文様が入りがとても可愛らしく上品な雰囲気が感じられる器です。
ひとつだと合わせにくいかもしれませんが、こんな使い方はどうかな?と印判の小皿をソーサーにしてみました。もし気になられた方がいらっしゃれば嬉しいです。
 
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【品番#U194】楼閣図猪口
サイズ:本体(口径): 約6.5㎝ (高さ) 6.7㎝ (口台) 約3.3㎝
価格:3,200円(税込)
備考:残り1組 
 
 
[Product #U194] Landscape and pavilion Choko cups
size: (Diameter): approx 6.5cm (height) approx 6.7cm (Foot diameter) approx 3.3cm
price: ¥3,200 (Tax included)
stock: 1 Set only (impossible to sold individually)
condition:favourable condition
date:
 
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杜鵑草 ~器と、そのまわり~ 於保亜希子

【品番#U193】sold out-色絵三ツ組鉢 (Triple IROE Pod)

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最近、とある機会をいただくことであらためて器のことを勉強しなおす必要がありました。
私の二十代の頃、骨董の世界に近づきたくて数多くの書籍を買い求めていました。それは振り返ること二十五年ほど前ことになります(年齢がばれてしまいますが、、)。
あらためて勉強する機会を得ることで、そのころに買い求めた書籍をひっくり返し読み返す必要があったのでそのときの思いを少し書いてみようと思います。
 
今回読み返した本というのは、二十年あまり前に読んでいたものですが、当時は今ほど情報が簡単に手に入らない時代だったので、お師匠の書棚にある本をメモして書店を巡ったり、古本屋さんに通ったりしてやっと手に入れたものも少なくありません。
もちろん骨董の話なので時代の流行りなどを追っている内容ではないので、全く色褪せることはなく今読むとむしろ新鮮で新しく気が付かせられることも多くてとてもためになりました。
当時、必死に買い求めていた労が今少しだけ報われたのかもしれません。
 
当時を振り返ると本の至るところにアンダーラインが引いてありました。そのころはそれらの本を手に取っていてもなかなか今ひとつしっくりと入ってこなくて苦労していたんだろうなぁ…と思います。
純粋に骨董の世界を知りたい、近づきたいと思っていたころの若い頃の自分がページをめくるたびによみがえってきて、そんな姿を想い出し懐かしむ時間はあらためて古い器を好きだった当時の純粋な気持ちを呼び戻すものでした。
 
それと、このアンダーラインを引いているところに当時、自分自身が大事だと捉えていたということを再認識させられました。
でも、今の私はそのアンダーラインの引かれたところとは別の文章から「ああ、こういうことか!」と頷ける内容をくみ取ることができたり、これらの本の中から過去と今を行き来しながらとてもいい時間を過ごすことができました。
あらためて気付くことがあるのも歳を重ねたからこそなるほどと納得できることでもあったり、駆け出しの二十代の私にはこの部分を理解するのはかなり大変だっただろうなぁとも思います。
 
アンダーラインが繋げてくれたちょっとした想い出の話でした。これらの本も私にとっては大事な宝物です。
 
遅ればせながらの気付きですが、人に何かを伝えることで自分がより深く理解をしている必要があるということを知り、実は人さまに伝えるということは、自分自身がそのことをいちばん知っていなければいけないことなんだと気が付くことできました。
あらためて勉強する機会を与えてもらえたことはとてもありがたいことだと思いました。
 
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今回は大根を使った料理を作ってみました。
最近出はじめた大根を出汁でゆっくりじっくりと煮込んでみました。今週はこれまでよりスムーズに出汁がとれるようになったので何気に嬉しかったです。しかも大根もとろとろに仕上がってとても美味しかったのですが、いつものように失敗をすると思って大量に買い込んでいたので、今回は実家の両親やご近所さんにいっぱい食べてもらいました。
 
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今回使った器は色絵の三ツ組鉢になります。
色鮮やかでとても華やかな中にも大らかな印象の器です。決して珍しい器ではありませんが、このぼってりとしたなんとなく野暮ったい雰囲気が案外と盛り付ける食べ物を引き立てます。実はこちらの器は私の手元にきてから二十数年経過する器になります。今回の話の流れからこの器の存在を思い出しました。
今回は三姉妹が離れ離れにならないようにいつまでも一緒に居続けてもらいたい思いから三ツ組でのご紹介とさせていただきます。
 
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【品番#U193】色絵三ツ組鉢
大サイズ:本体(口径): 約24.5㎝ (高さ) 9.8㎝ (口台) 約11.3㎝
中サイズ:本体(口径): 約21.5㎝ (高さ) 8.8㎝ (口台) 約10.0㎝
小サイズ:本体(口径): 約18.8㎝ (高さ) 7.8㎝ (口台) 約8.5㎝
価格:sold out
備考:
 
 
[Product #U193] Triple IROE Pod
Large size: (Diameter): approx 24.5cm (height) approx 約9.8cm (Foot diameter) approx 11.3cm
middle size: (Diameter): approx 21.5cm (height) approx 約8.8cm (Foot diameter) approx 10.0cm
small size: (Diameter): approx 18.8cm (height) approx 約7.8cm (Foot diameter) approx 8.5cm
price: sold out
stock: Set only (impossible to sold individually)
condition:favourable condition
date:
 
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杜鵑草 ~器と、そのまわり~ 於保亜希子

【品番#U178】色絵八寸皿 (Color painted big plate)

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急に寒くなってきましたね。
先日、実家の近くにある曲渕ダムのそばの公園に行ってみました。毎年この季節になるととても綺麗に色付いた紅葉が見ることができる公園です。
ここ数年はこうした紅葉に染まった景色をゆっくりと見に来ることができませんでしたが、あらためてみる景色はいいなと感じると同時になぜかとても懐かしくも感じました。
あー本当に気持ちよかったです!
こうして山を歩きながら自然を身近に感じることは本当にいいですね。そして、この仕事を始めた頃の活動を振り返えりました。数年前までは毎日毎日山に入っては葉っぱを探してはお店へ届けていたことが想い出されました。
今回山に来たのもお仕事のために使いたい葉っぱがあったので、それを探すために久しぶりに山をウロウロとしたのでした。この葉っぱを使ったお仕事については次回にでもご報告したいと思います。
 
本日はキノコの朴葉焼き(ほおばやき)を作って見ました。朴葉焼きは飛騨高山の郷土料理です。
私は10数年前に初めて朴葉を見たのですが、それまでは朴の葉を実際に見たことがなかったので山に行ってもなかなか見付け出すことはできませんでした。ところが、これが不思議なもので実際にこれが朴の葉だと一回知ってからは自然に朴の葉が目に入ってくるようになりました。
 
そんな朴の葉は初夏を迎えた山で青々としたきれいな葉を見ることができます。かなり高い場所にあるので採るのはなかなか大変です。そしてしばらくすると朴の木は白い大きな花を咲かせます。この花がまぁ本当に美しく素晴らしい花なのです。何度もその花を採りたいとチャレンジしてきましたが、あまりにも高い場所に咲いていて朴の木もなかなか簡単には採らせてはくれません。
「高嶺の花」という言葉はここからきているんじゃないかと思うくらいに手の届かないところにある素敵な花です。でも、私はこれまでで運良く一度だけ手にすることができました。その時は本当に本当に嬉しくてずっと眺めていたほどです。
 
一方、朴の葉は他の葉にはみられない面白い特徴があります。葉っぱの質感はまるで障子に貼られた紙のよう感じられ、葉の表面を指でポンと突くと「バリッ」と、まるで紙を破いた時のような音をたて破れます。葉っぱ自体は水を弾き比較的熱にも強く、香りや殺菌作用も併せ持っています。
秋になると茶色になって重なりあうように落ちます。
その葉を拾い集め、流水で洗い、熱いお湯をかけそのまま一旦つけおきし、その後数回ゆでこぼした葉を使って焼き物などをのせて焼きます。すると、焼いたり蒸したりすることで朴の香りが柔らかく食べ物に伝わり、また殺菌もしてくれるという効果もあり、まさに一石二鳥です。
 
そんな朴の葉の特性は知らなくても食べ物をのせたり包みたいという気持ちに不思議とさせてくれる朴の葉の形状は昔の人々も同じように考えたんじゃないかと思います。
それが現在の朴の葉を使った飛騨高山の郷土料理ということなんだと思います。寒さを感じだすこの季節にはその食べる様は風情があってとても趣きがあると感じます。
 
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今回は朴の葉に醤油麹(多くは田楽味噌を使うようです)をのせ、身近に手に入るキノコを焼いて見ました。
焼きあがる途中に漂ってくるなんともいえない香りは、まるで森の中へいざなうような空気感を感じさせてくれ安らいだ気持ちになります。
 
今回使った器は色絵の八寸皿になります。こちらは以前にもご紹介したことがある器です。
とても素朴な平皿ですが、お料理を盛るとおおらかな雰囲気に包まれる器になります。その雰囲気は使っいただいてその魅力を味わって頂きたい器です。
最近ではこの手の雰囲気を持った大きめの器もなかなか見掛けないようになりました。
 
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こちらの器について前回のご紹介もご覧ください・・・こちらから
 
 
【品番#U178】色絵八寸皿
サイズ:本体(口径): 約23.5㎝ (高さ) 4.0㎝ (高台) 約13.8㎝
価格:7,000円(税抜)
備考:残り3枚 バラ売り可
 
 
[Product #U178] (Color painted big plate)
size: (Diameter): approx 23.5cm (height) approx 約4.0cm (Foot diameter) approx 13.8cm
price: ¥7,000
stock: 3 in all (possible to sold individually)
condition:favourable condition
date:
 
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杜鵑草 ~器と、そのまわり~ 於保亜希子

【品番#U192】大黒ねずみ染付七寸皿 ( Blue and white porcelain flat plate with drawing Luck Rat and Radish )

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気がつけば11月も中旬にさしかかろうとしています。今年もあと残すところ50日程度となったわけですが、日にちに換算するとこうして時間が経つのは本当にあっという間だな…とちょっと気持ちが焦ってきます。今年のクリスマスやお正月は楽しめる世の中であって欲しいなと願うばかりです。
 
お店に並ぶお野菜も少しずつ種類が変わってきたように感じます。この時期になると蓮根の収穫期にあたりお店でも掘り立てのレンコンが並びはじます。そこで今週はからし蓮根に挑戦してみました。
からし蓮子といえば熊本となるわけですが、これは全国的に知られていることなんでしょうか?
熊本の郷土料理のひとつに挙げられるからし蓮根。からし蓮根といえばシャキシャキとしたレンコン特有の歯ごたえと、あのツンとくる辛いからさが特徴です。
熊本出身の人はからし蓮根を食べないと帰省した気がしないというのを聞いたことがあります。お正月にはおせち、またお祝いの席では必ずからし蓮根が出てきます。
今回作るにあたって調べてみたところからし蓮根は細川家のお家料理だったというんですが、郷土料理はいつも興味深くて調べれば調べるほどワクワクしてきます。
今から遡ること約四百年前に細川家が肥後五十四万石の太守となって豊前から入国しました。その時に耶馬渓の羅漢寺の玄宅和尚も細川家に従って熊本にやって来ました。
肥後細川家の初代藩主である細川忠利は日頃から体が病弱で、心配した玄宅和尚は「何か栄養のあるものを」と苦心して探していたところ、当時の熊本は沼地が多くいたるところに蓮が繁茂していることに目をつけレンコンには造血効能があることを和漢の書で知り、これを忠利に食べさせようとしました。
しかし忠利は「レンコンは泥の中で育った不浄なもの。」として食さなかったので、「麦味噌の中に和がらしを混ぜ、蓮根の穴につめ、麦粉、空豆粉、卵の黄味を混ぜ合わせた衣をつけ、菜種油で揚げる」というレンコンと分からない料理を作りました。
忠利は口にするとピリッとした辛さも気に入って、常に食し食欲も増してみるみる剛健になられた…というのが「からし蓮根」の由来でした。
 
また、輪切りにしたれんこんの断面が細川家の家紋、九曜(くよう)の紋に似ている事もあって、忠利は「からし蓮根」の製造方法を秘伝とし明治維新まで門外不出の味だったそうです。これが、今でも「からし蓮根」が全国で唯一熊本県でしかつくられない由縁でもあるということでなるほどと思わず納得です。
 
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本来は味噌(白味噌、麦味噌)と辛子を混ぜ合わせたものを蓮根の穴に詰め込み、黄色の衣にはウコンやクチナシで着色するようでしたが、私はおからと辛子を混ぜ合わせたものに砂糖と塩で味を整えたものを詰め込み、衣の部分は特に色付けはせず少量のねりカラシを混ぜ込みました。
おからに材料を混ぜ合わせたものは蓮根の穴の大きな方から押し回した感じで詰め込みました。詰めたあとは衣をつけて揚げるのですが、この揚げるときが一番苦戦しました。
あとになり詳しく揚げ方を調べてみると、「針金で作られた引っ掛け棒を蓮根に突き刺して油で揚げる。」とありました。私はお箸を使ってみたり、蓮根の端っこをつまんで衣をつけ揚げたので油が跳ねていくつも火傷を作りました。調べ不足で余計なケガをしてしまった訳です…。
 
また、何度揚げても衣とレンコンの間に隙間ができるので揚げる温度や衣の作り方が悪いのかなと思い、やり直すのですがうまく行きません。それもあとでわかったことですが、そもそも蓮根の皮はむかないのだそうです。
蓮根は切ると糸を引きます。それは山芋などと同様に表面がヌルヌルとしているため衣が絡みにくいということに原因があったようです。他にもいくつかなるほどと思うこともありました。蓮根の切り口を面取りするのだそうです。面取りせず揚げるとそこから空気が入りやすくなってうまく揚がらないというアドバイスも書かれてありました。
全部で15~6本作ったでしょうか、自分自身で納得がいくものはなかなかできませんが、自分で作った揚げたてのからし蓮根はこれまで食べた中で一番美味しかったです。
 
また今回食べるときにポン酢やソースや醤油など色々なものを試してみましが、不思議なもので九州の刺身醤油というかなり甘い醤油で食べるからし辛子蓮根が最高に相性が良いとも感じました。
ま、何をつけて食べるのかは好みの問題かと思いますが、やはりその土地の調味料を使って食べるのが一番合うんだろうなと感じた今回のからし蓮根でした。
からし蓮根のエピソードで細川家の家紋である「九曜紋」についてもとても興味深く、気になることもあってこのあとも調べてみたいと思います。
 
今回使った器はねずみと大根の図柄の染付平皿になります。サイズは七寸です。
こちらの器はとても可愛いねずみに大根が描かれています。ねずみはたくさんの子を産むことから繁栄の象徴とされ、大根も特に二股に分かれたものは子孫繁栄や商売繁盛を表すと言われています。他には大根は根付くなどのおめでたい図柄になります。
これらの二つの図柄を組み合わせ、洒落(こじつけかもしれませんが)で「大黒ねずみ(だいこんくうねずみ…)」という言葉もあるくらいです。そんな意味も踏まえお皿を眺めているとストーリーを感じさせてくれる可愛いお皿だなと思います。
骨董の器は図柄に込められた思いや(意味)を知る楽しみのひとつです。
 
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【品番#U192】大黒ねずみ染付七寸皿
サイズ:直径:22.5㎝、 高さ:3.5㎝
価 格: 3,000円 (税込) / 2枚 
状 態:良好
備 考:
 
[Product #U192] Blue and white porcelain flat plate with drawing Luck Rat and Radish
size:(Diameter): approx 22.5cm / (Height): approx 3.5cm
price: ¥3,000/ (Tax included)
stock: 2
condition: favourable condition
note:
 
 
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杜鵑草 ~器と、そのまわり~ 於保亜希子

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mishima

於保 亜希子 プロフィール

1968年3月、福岡県生まれ。

骨董商。器コーディネーター。

「器と、そのまわり杜鵑草」 代表。

 

 幼い時より両親の影響で骨董や山野草に囲まれた生活を送り、茶道、華道を学ぶ。

 

短大卒業後、広告制作会社、広告代理店などで勤務。24歳のとき、仕事で出会った骨董の器に見せられ、骨董について学ぶようになる。

学びを深めるうちに、骨董が一部の収集家によって装飾美術品として飾られていることに疑問を感じ、料理とのコーディネートによって、暮らしの中で骨董の素晴らしさを伝えていきたいと考える。結婚して一児の母となった後も骨董に携わり続け、2013年より本格的に骨董商として起業。

 

茶道や華道の要素および、四季の植物を取り入れた皆敷(料理に添える木の葉など、和食の盛り付け文化)の技法を生かし、骨董と料理が織りなす魅力的な世界の構築に挑戦している。

季節感や情景の表現を得意とし、独自の皆敷のスタイルを提唱。

骨董の器と皆敷のワークショップならびにコラム執筆等、精力的に普及活動を行っている。

 

Facebookページ
器と、そのまわり 杜鵑草(ホトトギス)

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mishima

於保 亜希子 プロフィール

1968年3月、福岡県生まれ。

骨董商。器コーディネーター。

「器と、そのまわり杜鵑草」 代表。

 

幼い時より両親の影響で骨董や山野草に囲まれた生活を送り、茶道、華道を学ぶ。

 短大卒業後、広告制作会社、広告代理店などで勤務。24歳のとき、仕事で出会った骨董の器に見せられ、骨董について学ぶようになる。

 

学びを深めるうちに、骨董が一部の収集家によって装飾美術品として飾られていることに疑問を感じ、料理とのコーディネートによって、暮らしの中で骨董の素晴らしさを伝えていきたいと考える。

結婚して一児の母となった後も骨董に携わり続け、2013年より本格的に骨董商として起業。

 

茶道や華道の要素および、四季の植物を取り入れた皆敷(料理に添える木の葉など、和食の盛り付け文化)の技法を生かし、骨董と料理が織りなす魅力的な世界の構築に挑戦している。

 

季節感や情景の表現を得意とし、独自の皆敷のスタイルを提唱。骨董の器と皆敷のワークショップならびにコラム執筆等、精力的に普及活動を行っている。

 

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【 送料について 】
◯配送は日本国内、海外配送ともに対応致します。
◯2カ所以上に配送をご希望の場合は、それぞれに送料が発生します。

地帯名称 南九州 北九州 四国 中国 関西 北陸 東海 信越 関東 南東北 北東北 北海道
県名 熊本県
宮崎県
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埼玉県
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東京都
神奈川県
山梨県
宮城県
山形県
福島県
青森県
岩手県
秋田県
 
サイズ 重量(kg)                        
60 2kg迄 500円 500円 600円 500円 700円 800円 800円 800円 800円 1,300円 1,300円 1,700円
80 5kg迄 580円 580円 850円 580円 950円 1,000円 1,000円 1,000円 1,000円 1,550円 1,550円 1,950円
100 10kg迄 1,000円 1,000円 1,200円 1,000円 1,000円 1,250円 1,250円 1,250円 1,250円 1,800円 1,800円 2,200円
140 20kg迄 1,250円 1,250円 1,350円 1,250円 1,450円 1,550円 1,550円 1,550円 1,550円 2,050円 2,050円 2,450円
160 30kg迄 1,500円 1,500円 1,600円 1,500円 1,700円 1,700円 1,700円 1,700円 1,700円 2,300円 2,300円 2,700円
  10kg迄増 250円
170   2,200円 2,200円 2,300円 2,200円 2,300円 2,400円 2,400円 2,400円 2,400円 2,800円 2,800円 3,200円
180   2,450円 2,450円 2,550円 2,450円 2,550円 2,650円 2,650円 2,650円 2,650円 3,050円 3,050円 3,450円
200   2,950円 2,950円 3,050円 2,950円 3,050円 3,150円 3,150円 3,150円 3,150円 3,550円 3,550円 3,950円
220   3,450円 3,450円 3,550円 3,450円 3,550円 3,650円 3,650円 3,650円 3,650円 4,050円 4,050円 4,450円
240   4,450円 4,450円 4,550円 4,450円 4,550円 4,650円 4,650円 4,650円 4,650円 5,050円 5,050円 5,450円
260   5,450円 5,450円 5,550円 5,450円 5,550円 5,650円 5,650円 5,650円 5,650円 6,050円 6,050円 6,450円

※税別価格表示
※沖縄については別途料金を適用させて頂きます。
※離島については、別途実費をご負担お願いします。

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